ベトナムの飲み物と言ったらどんなものを思い浮かべますか?
「濃いコーヒーに練乳たっぷりのベトナムコーヒー」と答える人も多いと思います。
実は、ベトナムではコーヒーよりもお茶の方が飲まれているんですよ。
「ベトナムのお茶ってどんなものがあるの?」「どんな味がするの?」「お土産にしたいけど、どこで買えるのかな?」
日本人にはあまり馴染みがないのでイメージできないですよね。
今回は「ベトナム茶の魅力とおすすめのお茶とショップ」をご紹介します。
目次
ベトナム人にとってのお茶とは?
食事と一緒に飲まれるだけでなく、人が集まるところでは必ずお茶が振る舞われます。
街では路上に茶屋があり、老若男女問わず賑わっています。
ベトナム人にとって、お茶は日常生活に欠かせないものなんですね。
そんなベトナムのお茶の特徴は「苦み」が強いことです。
日本では緑茶は「甘味」を楽しむものですよね。
玉露に代表されるように、高級なお茶ほど甘味が強くなります。
でもベトナムの人々は、少しずつ飲んで「苦み」とそのあとに残る「甘味と香り」を楽しみます。
特に北部の人たちにとってのお茶は「食後に飲むもの」としてこだわりがあるようです。
コーヒーと同じような感覚でお茶を飲むんですね。
ベトナムのお茶の歴史
古くから中国文化の影響を受けてお茶を飲む習慣がありました。
歴史は1000年以上といわれています。
ベトナム北部の山岳地帯はお茶の原産地といわれる雲南省に近く、樹齢数百年以上のお茶の木が残っているんですよ。
中部にあるかつてのベトナムの首都、フエの宮廷では「宮廷茶」と呼ばれるベトナム茶の作法もありました。
中国から伝わった作法をもとにベトナム独自に発展していったものです。
緑茶を作法をもって淹れたものだけでなく、花や実など15種類前後の具材が入ったお茶も宮廷茶と呼びます。
宮廷で飲まれていた、薬膳に近いお茶です。
フエでは専門店もあり店ごとに色々な宮廷茶が提供されています。
北部のお茶の飲み方とは?
北部ではお茶のことをチェー(CHE)と呼びます。
四季があり、意外と冬場には冷えるため温かいお茶チェーノン(CHE NONG)をよく飲みます。
渋みと苦みの強い緑茶が好まれています。
ハノイでは路上にお茶を出す茶屋がたくさんあり、人々が気軽にお茶を楽しめるようになっています。
ベトナムにはチェー(CHE)と呼ばれるスイーツもあります。
甘く煮た豆や芋、寒天やフルーツなどといろいろな具材と、ココナッツミルクや甘い煮汁を組み合わせた伝統的なスイーツです。
地域の素材を使ったスイーツで、地域や店によって違います。
温かいものは日本のぜんざい、冷たいものはかき氷に似ているんですよ。
所説ありますが、仏教の行事で遠方からのお客様をお茶と共にもてなしたデザートが言葉の由来とされています。
同じ呼び方なのは由来が同じからなんですね。
南部のお茶の飲み方とは?
南部ではお茶のことをチャー(TRA)と呼びます。
一年中暑い地域のため、熱いお茶に氷を入れた冷たいお茶チャダー(TRA DA)をよく飲みます。
南部の人は、冷たいお茶を飲む習慣があります。
冷たくても香りを楽しめるジャスミン茶やアーティチョーク茶も好まれます。
ホーチミンなど南部の街の路上にはコーヒー店が多いです。
露店でコーヒーを注文すると、口の中をさっぱりさせるために一緒にお茶が出てきます。
ベトナムのお茶といえば?
一番飲まれているの緑茶ですが、緑茶にもたくさん種類があります。
また、緑茶以外にもベトナムならではのいろいろなお茶が飲まれています。
日本人に飲みやすく、お土産にも最適なお茶を紹介します。
緑茶
ベトナムで最も飲まれているのが緑茶です。
特にハノイをはじめとする北部で良く飲まれています。
- ダイグェン茶(Tra Thai Nguyen)
- タンクオン茶(Tra Tan Cuong)
- ノントム茶(Tra Non Tom)
- ダイグェン茶
北部のダイグェン省などで生産されていて、ベトナムで最も一般的な苦みの強いお茶です。
お茶の本場・中国や台湾にも輸出され親しまれています。
- タンクオン茶
タイグエン省タンクオン(TanCuong) 村産のブランド茶です。
苦みが少なく日本の緑茶に近い味です。
- ノントム茶
緑茶の香りがとても豊かなタンクオン茶の最上級品です。
厳選された一芯二葉(つぼみと若葉2~3枚)でつくられています。
厳密にいえば日本の「緑茶」とベトナムの「緑茶」は製法が違います。
日本の緑茶は発酵させないのに対し、ベトナムの緑茶はウーロン茶のように少し発酵させた「弱発酵茶」です。
ベトナムでもペットボトルのお茶が売られています。
でも、ベトナムでのペットボトルのお茶はかなり甘いんですよ!
日本のお茶をイメージして飲んでみるとびっくりするかもしれませんね。
無糖のものも売られていいますが、少ないです。
ベトナムの人々にとっては売られているお茶はジュース感覚なんですね。
ハス茶
ハス茶のハスというのはお寺の池などできれいなお花を咲かせている、あの蓮のことです。
日本人には馴染みありませんが、ベトナムの人々にとっては美容や健康に良いお茶として、古くから親しまれてきたお茶なんですよ。
ハス茶の種類は3種類あります。
- 蓮花茶(trà hoa sen)
- 蓮葉茶(trà lá sen)
- 蓮芯茶(trà tim sen)
1.蓮花茶
緑茶に蓮の花の香りを移したものです。
すっきりした味と上品なハスの花の香りが特徴です。
高級なハス茶は蓮の花からおしべを集めて香りをつけますが、安価なものは香料で香りをつけています。
とても香りがよくて日本人に飲みやすく、中国茶の「工芸茶」のようにお湯を注ぐと茶葉が花のようにひらくかわいいものもあります。
2.蓮葉茶
蓮の葉を乾燥させたお茶で、苦みと漢方のような独特な風味があります。
3.蓮芯茶
蓮の実お芯を乾燥させたお茶です。
かなり苦みが強いので、日本人には好みが分かれるかもしれません。
アーティチョーク茶(Tra Atiso)
アーティチョークといえば欧米でよく食べられ、日本でもフレンチやイタリアンの食材として知られていますよね。
ベトナムでは乾燥させてお茶として飲まれます。
中部・ダラットの特産物として生産され、特に中部や南部で好まれているお茶です。
ほのかに甘く、くせのない味です。
最近は日本でも健康によいお茶として、あのコーヒーと輸入食品のお店でも販売されていますよ。
ベトナムでは肝臓の働きを助けるといわれ、お酒を飲んだあとよく飲まれています。
「ほうじ茶のような香り」といわれることもありますが、独特な香りがします。
でも、本当にくせがなくて飲みやすいですよ。
日本や中国でいう「お茶」はツバキ科の常緑樹「チャ」の樹から作られます。
アーティチョーク茶のように「チャ」以外のものから作られるものは厳密にいうと「お茶」ではないため「茶外茶」といわれます。
日本でおなじみの麦茶・コーン茶・ドクダミ茶・ハーブティーやルイボスティーも茶外茶になります。
バッチャン焼きでベトナム茶を飲むのがオススメ!
ベトナム茶を楽しむなら、ぜひバッチャン焼きの茶器で楽しんでみてはいかがでしょうか。
バッチャン焼きとは、ハノイの南東10㎞の距離にある、バッチャン村で作られるベトナムの伝統的な陶器です。
値段も手ごろで種類やデザインも豊富なので、お気に入りのものが見つかるはずですよ。
いろいろなデザインがありますが、モチーフのほとんどが竹や蓮、菊などの植物やトンボ、金魚です。
これらはベトナムで縁起のよい柄とされています。
観光客にお土産として人気の高いバッチャン焼きですが、偽物も流通しているのが現実です。
バッチャン村で作られているものには裏側に「Bat Trang Vietnam 」と書かれています。
ハノイにあるおすすめのショップ
ヒエンチャーチュオンスアン( Hien Tra Truong Xuan)
本格的なベトナム茶を提供しているお店です。
店主は代々伝統的なベトナム茶の作り方を継承している老舗です。
お店では40種類のお茶を味わうことができます。
店内は中庭があり、とても雰囲気がよくてゆっくりとお茶を楽しむことができます。
観光スポット「文廟」の近くにあるので、休憩におすすめです。
お茶はカップ一杯分で注文することもできますが、ぜひポットで頼んでください。
目の前で、伝統的なベトナム作法でお茶を淹れてくれますよ。
住所:13 Ngo Tat To, Van Mieu
電話:+84 24 3911 0104
営業:7:00 ~ 23:00 L.O. 22:00
フオンセン(Huong Sen)
ハス茶はベトナムのお土産の定番の一つで、あちこちで売られています。
しかしフォンセンは伝統的なハス茶作りをしている老舗です。
その製法は、毎年6~7月に咲いた蓮の花のおしべだけで香りをつけられるもので、100gのお茶に120輪の蓮のおしべを使っているそうです。
ハノイ旧市街の大教会から徒歩約5分です。
日本語で店の看板が出ているので見つけやすいお店ですよ。
お茶請けを買うならの実を砂糖漬けにした「ムッセン」がおすすめです!
電話: +84 344 585 378
営業時間:8:00 ~ 18:30 6月~8月(蓮の花の採集時期):7:30~18:30
ハンザ市場(Hang Da Market)
ハノイにある市場です。
地下街に5~6店舗の陶器のお店があり、いろいろな種類のバッチャン焼きが置いてあります。
本場のバッチャン村に近いので手ごろな値段で売られています。
日本語が通じる店員さんもいるので、気軽に会話しながら買い物ができますよ。
住所:Cho Hang Da, Hoan Kiem Dist., Hanoi
営業:8:00~18:00
ホーチミンにあるおすすめのショップ
ハトバラ(HATVALA)
香料など添加物不使用のベトナム産オーガニック茶とコーヒーを扱っているお店です。
店には茶室があり、数種類のお茶を試飲することも可能です。
スタッフが英語で丁寧に説明してくれるので、ゆっくり選ぶことができます。
電話:+84 28 3825 8908
営業時間:8:00〜18:30
ココ(CoCo)
ホーチミンの中心・ドンコイ通りの近くにあるオシャレな雑貨屋です。
いろいろな雑貨がおいてありますが、バッチャン焼きの種類もとても豊富です。
日本人スタッフが常駐していることもあり、日本人好みのアイテムがそろっています。
電話:+84 28 3829 6492
営業:8:00~21:30
まとめ
ベトナム人にとってお茶とは?
- 食事の時以外、人が集まるところでは必ずお茶が振る舞われる
- 街では路上に茶屋がたくさんある
- ベトナムのお茶の特徴は「苦み」が強い
- 少しずつ飲んで苦みとそのあとに残る甘味と香りを楽しむ
ベトナムのお茶の歴史
- 古くから中国文化の影響でお茶を飲む習慣がある
- 「宮廷茶」と呼ばれるベトナム茶の作法がある
- 花や実など15種類前後の具材が入った薬膳に近いお茶も「宮廷茶」と呼ぶ
- フエでは宮廷茶の専門店がある
北部のお茶の飲み方とは
- お茶のことをチェー(CHE)と呼ぶ
- 温かいお茶チェーノン(CHE NONG)と呼ぶ
- 北部では渋みと苦みの強い緑茶が好まれる
- ハノイでは路上にお茶を出す茶屋がたくさんある
- 若者の間では「チャーチャイン」がよく飲まれる
南部のお茶の飲み方とは
- お茶のことをチャー(TRA)と呼ぶ
- 熱いお茶に氷を入れた冷たいお茶チャダー(TRA DA)をよく飲む
- 冷たくても香りを楽しめるジャスミン茶やアーティチョーク茶も好まれる
- ホーチミンなど南部の街の路上にはコーヒー店が多い
- コーヒーを注文すると口の中をさっぱりさせるために一緒にお茶が出てくる
お土産におすすめのお茶といえば
- 緑茶
- ハス茶
- アーティチョーク茶
おすすめの緑茶の銘柄
- ダイグェン茶(Tra Thai Nguyen)
- タンクオン茶(Tra Tan Cuong)
- ノントム茶(Tra Non Tom)
ダイグェン茶
- ベトナムで最も一般的なお茶
- 苦みが強い
タンクオン茶
- タイグエン省タンクオン村産のブランド茶
- 苦みが少なく日本の緑茶に近い味
ノントム茶
- 緑茶の香りがとても豊か
- タンクオン茶の最上級品
日本とベトナムの緑茶の違い
- 日本の緑茶は発酵させない
- ベトナムの緑茶はウーロン茶のように少し発酵させた「弱発酵茶」
- ベトナムのペットボトルのお茶はかなり甘い
ハス茶
- ハス茶のハスはお寺の池に咲いている蓮と同じもの
- ベトナムでは美容や健康に良いお茶として、古くから親しまれてきた
ハス茶の種類
- 蓮花茶(trà hoa sen)
- 蓮葉茶(trà lá sen)
- 蓮芯茶(trà tim sen)
蓮花茶
- 緑茶に蓮の花の香りを移したもの
- すっきりした味で上品なハスの花の香り
- 高級なハス茶は蓮の花からおしべを集めて香りをつける
- 安価なものは香料で香りをつけている
- 中国茶の「工芸茶」のようにお湯を注ぐと茶葉が花のようにひらくものがある
蓮葉茶
- 蓮の葉を乾燥させたもの
- 苦みと漢方のような独特な風味
蓮芯茶
- 蓮の実お芯を乾燥させたもの
- かなり苦みが強い
アーティチョーク茶(Tra Atiso)
- 乾燥させてお茶として飲まれている
- 特に中部や南部で好まれているお茶
- ほのかに甘く、くせのない味
茶外茶とは
- 「チャ」の樹以外のものから作られるもの
- アーティチョーク茶・麦茶・コーン茶・ドクダミ茶・ハーブティー・ルイボスティーなど
バッチャン焼き
- バッチャン村で作られる伝統的な陶器
- モチーフのほとんどが竹、蓮、菊、トンボ、金魚
- 竹、蓮、菊、トンボ、金魚はベトナムで縁起のよい柄とされている
- バッチャン村の陶器には裏側に「Bat Trang Vietnam 」と書かれている
ハノイのおすすめショップ
- ヒエンチャーチュオンスアン( Hien Tra Truong Xuan)
- フオンセン(Huong Sen)
- ハンザ市場(Hang Da Market)
ヒエンチャーチュオンスアン
- 本格的なベトナム茶を提供している
- お店では40種類のお茶を揃えている
- 店内は中庭がありとても雰囲気がよい
- ポットで注文すると目の前で伝統的なベトナム作法でお茶を淹れてくれる
フオンセン
- 伝統的なハス茶作りをしている老舗
- 蓮の実を砂糖漬けにした「ムッセン」もお茶請けとしておすすめ
ハンザ市場
- 市場の地下街に5~6店舗の陶器店がある
- 豊富な種類のバッチャン焼きが置いてある
- バッチャン村に近いので値段が手ごろ
- 日本語が通じる店員さんもいる
ホーチミンのおすすめショップ
- ハトバラ(HATVALA)
- ココ(CoCo)
ハトバラ
- 添加物不使用のベトナム産オーガニック茶とコーヒーを扱っている
- 茶室で数種類のお茶を試飲することも可能
- スタッフが英語で丁寧に説明してくれる
ココ
- 雑貨のほかバッチャン焼きの種類もとても豊富
- 日本人スタッフが常駐している
- アイテムが日本人好み
今回は「ベトナム茶の魅力とおすすめのお茶とショップ」をご紹介しました。
ベトナムのお茶を飲んでみたいな、と思っていただけましたか?
ベトナムはお茶の生産量は世界第5位で、11位の日本よりも多いんですよ。
今回紹介したもの以外にもたくさん種類があるので、きっと好みにあうお茶が見つかるはずですよ!
今回の記事を参考に、ベトナム旅行ではお茶の魅力を楽しんでみてくださね!
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