海外で鉄道の旅、一度はしてみたいですよね。
マレーシアには東南アジアでは珍しい、国境越えができる鉄道があります。
タイ、バンコクのファランポーン駅からシンガポールまでのマレー半島を結ぶ鉄道です。
また、マレーシアには、ボルネオ島唯一の鉄道「サバ鉄道」があります。
今回は「ジャングルの中を走るマレーシア鉄道の旅」をご紹介します。
目次
マレー鉄道とは
Keretapi Tanah Melayu(マレー鉄道)は、その頭文字をとって、KTMと呼ばれています。
国境を超えることができる鉄道ですが、元々はイギリス領地時代にペラ州で採れたスズの運搬のために作られた路線でした。
現在3か国を繋ぐ鉄道ですが、元々はそれぞれの国が作った路線です。
なので「マレー鉄道」は、実はマレーシア国内のみを指す鉄道です。
タイを走る区間は「タイ鉄道」でタイ国鉄の管轄になります。
ここでは、マレーシア国内の路線についてご紹介します。
KTM EST(Electric Train Service)
マレーシア鉄道の区間で、電化が完了している区間をESTと呼びます。
マレーシアの西海岸(ウェストコート)が現在このESTになっています。
日本で「マレー鉄道」というと、一般的にこのウェストコートを指します。
有名な豪華列車、オリエンタルエクスプレスが走るのもこの路線です。
タイとの国境の駅パダン・ブサール(Padang Besar)から、シンガポールにほど近いゲマス(Gemas)がEST区間で、その先シンガポール国境までを結んでいます。
座席の種類は、プラチナ、ゴールド、シルバーの3種類があります。
プラチナが、一番早い電車で料金も高めです。
ただ、停車する駅が異なるので、小さな駅で下車したい場合は、どの電車が停まるか確認が必要です。
1日の本数が5~7本程度と少ないため、電車の種類はほぼ選べないと思っておきましょう。
また、どの電車も全席指定です。
席が空いていないとチケットを購入できないので注意してください。
タイ、マレーシア間の国境は、それぞれの国境駅で電車を降りて出国手続きをし、再び電車に乗り、次の駅で全て荷物を持って入国手続きをします。 両国とも3か月以内であれば日本人はビザなしで入国可能ですが、タイ側の入国審査が厳しくなっています。 帰国時のeチケットなど、自国に帰ることを提示できるものを持っていると安心です。
インターシティー(Inter City)
電化されていない区間をインターシティーと呼びます。
マレーシアの東海岸を走るイーストコートを指す名称です。
インターシティー区間は、2020年までには全線で電化される予定となっています。
クアラルンプールから走って行って、インターシティに切り変わるのは、ゲマス(Gemas)からです。
そこから北上して、タイとの国境であるランタウ・パンジャンまで走ります。
ゲマスより南に位置する人気の観光地、ジョホール・バルもインターシティ区間になります。
都市を走る鉄道とは一転、昔ながらの素朴な景色が楽しめる路線ですよ。
ちなみに、タイ側の国境はスンガイ・コーロックという町ですが、イーストコートは電車での国境越えができません。
一度下車してから、歩いて国境を渡る必要があります。
スンガイ・コーロックは、タイ人のムスリムが多く住む地域です。 タイでの社会的地位が低いため、この辺りは治安があまり良くありません。 東側の国境越えを考えている場合は、現地の情報をしっかり確認してください。
私は、ウェストコート、イーストコートの両方に乗りました。
インターシティーは、西側を走る鉄道ESTとは別世界でした。
冷房車がない車両がほとんどなので、冷房があっても古いので涼しくありませんでした。
扇風機はついていますが、窓を開けている人も多いのであまり意味もなかったです。
昼間走ったからか、車内に電気がつかず、トンネルは真っ暗になり一瞬驚きました。
大きなスーパーの買い物かごを持った物売りのおじさんが、車内を行ったり来たりします。
中には、ジュースや水、ビニールやカットフルーツ、お菓子などが入っていました。
乗っているのが地元の人ばかりで、マレー語もかなり訛っていました。
でも、地元の人から色々な話が聞けたり、マレー語を教えてもらえたり、何よりマレーシアの西側と東側の文化の違いを肌で感じることができました。
別世界にタイムスリップしたいと思ったら、この路線はおすすめです。
KTMコミューター(KTM Comuter)
他のKTM鉄道が長距離を走るのに対し、KTMコミューターはクアラルンプール近郊を走っています。
詳しくはこちらでご覧ください。
チケットの購入方法は?
当日、席があれば駅の窓口で購入できます。
ただし、日程に余裕がなかったり、大人数の場合は事前に購入しておくと安心ですよ。
公式サイトでは、出発の30日前から購入が可能ですが、サイト上でのキャンセルはできないので注意してください。
オンライン購入のキャンセルは、出発4時間前までにKTMのカウンターに行く必要があるので注意しましょう。
また、カウンターでのチケット購入は並ぶこともあるので、時間に余裕を持って行きましょう。
また、EST、インターシティ、コミューター区間は別々の購入が必要になります。 例えば、クアラルンプールからシンガポールまで行きたい場合は、3枚のチケットを購入しなければなりません。 チケットは別ですが、マレーシア間は途中で降りるわけではありません。 少々やっかいですが、同じ電車だと思わず、違う電車に乗り換えると思って考えると分かりやすいですよ。 公式サイトからの購入の際も、分けて買う必要があります。 例えば、出発地点にインターシティ区間の駅を選択すると、到着地点もインターシティ区間の駅しか表示されません。 どこの駅までを買えばいいのか、購入前に地名をざっと見ておくといいですよ。 また、シャトルトレインはシンガポール管轄の列車になります。 ジョホールバルで出入国手続きを済ませて、列車を乗り換える必要があるので注意してください。 マレーシアから乗り入れていたシンガポール側の路線は、2011年で廃線となりました。 旧シンガポール駅までは、鉄道で行くことはできません。 ジョホールバルから鉄道でシンガポールに渡る予定でした。 仕事で行き交うたくさんの人の波についていったら、併設しているバス乗り場に出てしまいました。 気が付いたときは、すでに出国していたので戻ることもできず、仕方なくバスで入国しました。 列車で国境を越えたい場合は、掲示をよく見ておくといいですよ。 ボルネオ島を唯一走る鉄道が、サバ鉄道です。 コタキナバルのタンジュンアル駅を拠点に、テノムという町まで走っています。 こちらも100年以上前のイギリス統治時代に作られた路線です。 主に、農作物を輸送するための貨物路線でした。 現在も、ディーゼルカーが毎日運航しています。 実は、この路線を走る鉄道は2種類あるんですよ。 2種類あるうちの1つは、観光客向けの「北ボルネオ鉄道」という名称です。 ステラハーバーリゾートの「コロニアル蒸気機関車ツアー」が週に2日運行しています。 こちらは、タンジュンアル駅からパパール駅までのおよそ77kmを往復します。 朝10時にタンジュンアル駅を出発し、14時前にタンジュンアル駅に戻ってくる半日ツアーです。 タンジュンアル駅とホテルの往復を考えても、トータル5時間程度なんですよ。 電車に乗っているだけではありません。 途中、キナ・ルートという町で停車したり、折り返しのパパールで45分ほど自由時間があります。 お手軽に鉄道の旅を楽しめますよ。 1人RM358.50 (約9,800円) 3歳までは無料ですが、4歳以上の子どもも同一料金になります。 物価にしてはなかなかのお値段ですが、車内での朝ごはん、お昼ご飯が付いてきます。 リゾートホテルの鉄道なので、サービスもしっかりしています。 一番の見所は、リメイクした蒸気機関車です。 乗務員の制服もコロニアル風なので、タイムトリップした気分が味わえますよ。 また、海沿いを走るので、景色もきれいです。 折り返しのパパールでは、45分ほどの停車時間があります。 ぜひ、近くの市場に足を運んでみてください。 ローカルのフルーツや、日本では目にしない珍しいものがたくさんあります。 ホテルや観光地では見られない、ローカルの人々の生活が垣間見れますよ。 一方、今も市民の足として走っているのが、サバ州立鉄道です。 ボーフォートを境に2つの線に分かれています。 渓谷線も、ボーフォートからハロギラット(Halogirat)間、ハロギラットからテノム間に分かれています。 在来線は中国製車両などを利用していますが、渓谷線は途中切り離し作業があり、最終的に後ろ2両は貨物列車になります。 荷物を乗せるだけでなく、人が乗るための貨物列車なんですよ。 動画のタイトルはNorth Borneo Rail Way(北ボルネオ鉄道)となっていますが、州立サバ鉄道渓谷線の風景です。 タンジュンアル駅からテノム駅までを鉄道で走ると、8時間30分かかります。 実際に乗っている時間は、4時間30分ほどです。 これは、ボーフォートの乗り継ぎ時間が4時間近くあるからなんですよ。 ちなみに、この線を走る列車は1日に3本です。 本数が少ないので、同日中にテノムに到着するには、タンジュンアル駅発7時45分の列車に乗らなければなりません。 9時45分にボーフォートに到着しますが、テノム行の列車が出るのは13時です。 ボーフォートはとても小さな村なので、特に見るものがなく、駅前にローカルの飲食店や雑貨屋さんがあるだけです。 この駅で乗り継ぎをするなら、本など時間が潰せるものを持参するといいですよ。 ボーフォートから先の渓谷線は、1日に2本です。 さらに、終点テノム駅の3駅手前、ハロギラットで車両の切り離しがあります。 名目上路線が変わりますが、渓谷線は単線なので車両の切り離しで数分停車するだけです。 この時に、前の車両にいる人は全員最後部の車両に移動するので、早めに場所を確保しておくといいですよ。 4両編成の渓谷線は、後ろ2車両が貨物列車です。 終点テノム駅に到着まで行く列車は、最後尾を走っていた貨物列車1両のみになります。 テノム到着時間は15:55です。 この列車が最終列車になるので、テノムまでの日帰り旅行はできません。 時間短縮をする場合は、コタキナバルからボーフォートまでバスで出て、渓谷線にだけ乗ることもできます。 テノムからコタキナバル行のバスも出ているので、片道どちらかをバスにする方法もあります。 子どもはその半額になります。 パパールまでは北ボルネオ鉄道と同じ路線を走るので、見える景色は同じです。 州立鉄道最大の見所は、渓谷線のジャングルです。 サバ鉄道に乗りたくて、コタキナバルに来ました。 ボーフォートからは、貨物列車に乗り込みました。 窓や扇風機もないので、とても暑かったですが、連結部分に腰かけて足を電車からぶら下げて乗りました。 こんな経験、なかなかできないので大興奮でした!! 次第に景色はジャングルの中に入っていきます。 生い茂る高い木や草むらの中に、昔ながらの家が建っていました。 ボーフォートから先は駅らしい駅がなく、それぞれが家の近くで停めてもらい、草むらの中に飛び降りて行きました。 そこに住む人たちの生活を想像するのが楽しかったですよ。 テノムと言えば、コーヒー農園で有名です。 地元では、テノムコピ、別名ボルネオコーヒーで親しまれています。 ブラックコーヒーとも呼ばれ、色は濃いですが、すっきりした味わいです。 コーヒーファームにも宿泊施設があるので足を運んでみるといいですよ。 首狩り族のムルット族(Murut)が多く住む町としても有名です。 中ではムルット族の踊りを披露してくれますよ。 ムルット族のお祭り、フェスティバル・ぺスタ・カリマラン(Kalimaran Festival)が毎年開かれています。 広大な敷地をもつこの公園は、動物園やボート乗り場、釣り、フルーツ狩りなど1日中楽しめる場所です。 敷地にシャーレーとキャンプ場もあるので、宿泊も可能ですよ。 ESTとは インターシティーとは コミューター チケット購入方法は サバ鉄道とは 北ボルネオ鉄道 予約方法と料金は 州立サバ鉄道は 料金は 終点テノムとは 今回は「ジャングルの中を走るマレーシア鉄道の旅」をご紹介します。 鉄道や電車は、日常の移動手段となっている人が多いです。 たまには、のんびりと電車に乗るための旅も楽しいですよ。 今回の記事を参考に、マレーシア鉄道の旅を楽しんでみてくださいね。サバ鉄道とは?
北ボルネオ鉄道
所要時間は?
料金は?
見所は?
サバ州立鉄道
所要時間は?
料金は?
見所は?
終点テノムは何があるの?
まとめ
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バンコクから寝台車で、ペナン島目の前のバッタワース駅までの区間を乗りました。
鉄道で、約24時間の旅です。
寝台車は初めてだったのでドキドキしましたが、電車のワンボックが丸々1人分のベッドになるので、かなり広く快適でした。
熱帯雨林の景色も見ごたえがありましたが、何時間も見ているとさすがに飽きました。
景色以上に面白かったのは、電車に乗っている地元の人たちでした。
停車駅を重ねるたびに、人々の顔立ちや服装、持ちものなどが変わっていきます。
バンコクとペナンは文化も民族も全く違いますが、タイの南にムスリムが多く暮らしていることなど、知らない文化を見ることができました。
日本では、電車で国境を超えることはできないので、すごく貴重な経験になりました。