皆さんは「クチン」というマレー語を知っていますか?
クチンは、マレー語で「ネコ」という意味です。
また、クチンはボルネオ島の西側にあるサラワク州の州都の名前でもあります。
「聞いたことがない。」
「マレーシアのどこにあるの?」
そんな疑問を持つ方もいると思います。
今回は「クチンの歩き方、おすすめ料理とお土産」をご紹介します。
クチンを知ろう!
名前の由来は?
「なんで町の名前がネコなの?」
と、皆さん思いますよね。
正確な説は分かりませんが、下記のように言われています。
- この辺りに「マタ・クチン(ネコの目)」と呼ばれる果物の木がたくさんあった
- ヒンドゥー語で港を意味する「コーチン(Cochin)」が語源
今ではその名の通り、街中にはたくさんのネコのオブジェがあり、「ネコ祭り」も開催されるほど「ネコの街」になっています。
クチンの歴史は?
サラワク州には、マレー系、中華系、インド系の他に、首狩り族のダクヤ族を始めとする、26種の先住民族が暮らしています。
大丈夫ですよ。 簡単に分かりやすく説明します。
お願いします!
サラワク州の領地は、19世紀の半ばまで、お隣「ブルネイ」の領土でした。
ブルネイは聞いたことがあります。 石油が採れる国でしたよね?
そうです。 今では小さな国ですが、かつてはこの辺りを全て治めていたんですよ。
どうして手放したんですか?
ブルネイは、この土地にラジャ(王)を置いて管理していたのですが、先住民族の反発が大きかったんです。 ブルネイの王は、この先住民族の反発を抑えたイギリス人の「ジェームス・ブルック氏」に王(ラジャ)の地位を譲ったんですよ。
へぇ。 マレーシアは、元イギリス領ですよね? それで、イギリス領になったんですか?
イギリス領になったのは、もっと後の話なんです。 ラジャ(王)は日本でいう藩主なので、まだブルネイ国でした。 ブルック氏がラジャになった5年後にブルネイから独立しましたが、この時はなんと「ブルック王国」だったんです。 東南アジアで初めて白人の王が誕生した土地でもあるんです。 なので、当時建てられたコロニアル建築が今でも多く残っているんですよ。
国名が個人名って、なんともすごい話ですね。
そうですよね。 ブルック王国は第三代まで続いたんですが、第二次世界大戦中に日本領土になったんです。 他の国に疎開していた三代目ブルック氏が、終戦後にイギリスにこの土地を譲り渡してイギリス領になりました。
なるほど。 三代目ブルックさんが戻ってきていたら、まだ「ブルック王国」だったかもしれませんね。
そうかもしれませんね。 ただ、第二代ブルック王国の頃に、イギリス保護国となっているんですよ。 戦後の混乱を収めるには、イギリスの力が必要だったのかもしれません。 イギリスから独立を果たした「サラワク国」は、マラユ連邦(現在の西マレーシア)に加わる形で、イギリスから独立し、「マレーシア」となりました。 ただ、今でも「ブルック」と名の付く店や通りがあるんです。 クチンに行ったら、ぜひ探してみてくださいね。
全く知らない場所ですけど、興味が出てきました。 クチンに行ったら「ブルック」探しをしてみます!
クチンへの行き方
飛行機
現在、日本からクチンへの直行便はありません。
マレーシア航空やエアアジアなどで、クアラルンプール、コタキナバル、シンガポールを経由して行くことができます。
サラワク州は特別自治権を持っているため、他のマレーシア都市から入る場合もサラワク入国審査があります。
市街地までの行き方
クチン空港から市内へ直接行くバスはありません。
空港でタクシークーポンを購入して、タクシーに乗るのが一般的です。
エリアによって多少前後しますが、ウォーターフロントまでの距離は10kmほどで、MR26くらいで行けますよ。
空港の出口付近にタクシーカウンターがあるので、そこで目的地を告げればOKです。
人数が多いと大型車になるので、その場合は値段も上がるので注意してくださいね。
また、タクシークーポンは現金払いのみなので、マレーシアリンギットがない場合は、空港で両替が必要です。
空港から約2.5kmの場所にKuching Central Bus Terminal(クチン・セントラル・バス・ターミナル)があります。 そこから出ているバスで、市内のバスターミナルに行くことができます。 料金は、RM1.5です。
クチン近郊でのタクシー移動
メーター制となっていますが、実際にメーターが使われることはほとんどありません。
事前に値段交渉が必要となるので、注意してくださいね。
- 初乗り2kmまでMR3
- 115mごとにRM0.1(10sen)
- 配車料金はMR1~2
- 税金MR2(加算されない場合もある)
- 夜間料金はプラス50%
- チャーターは1時間MR40が目安
また、配車アプリサービスのGrubも利用できます。
料金交渉が心配な場合は、Grubアプリを入れておくことをおすすめします。
サラワク川を船で渡るリバータクシー
サラワク川の河岸には、北の岸と南のウォーターフロントを結ぶ、渡し船の船着き場があります。
料金は片道MR1で、基本的には1つの乗り場を往復します。
ただ、乗客の行先によって臨機応変に変わるため、複数の乗り場に寄ることもあり、その場合は1つの船着き場ごとにMR1が必要になります。
クチンの料理
クチンでも、他のマレーシアの都市と同じくインド系、中華系、マレー系のお店があります。
「クチンに行ったら食べたいおすすめ料理」をご紹介します。
サラワク・ラクサ
ラクサは、マレーシア13州でそれぞれ味が違うと言われる麺料理で、その土地の特産物を使っています。
他の都市でも「サラワクラクサ」と看板を出している店があるほど、サラワクラクサは有名なんですよ。
ラクサは魚介ベースのスープが多いですが、サラワクラクサのベースは鶏だしです。
これに、スパイスやカレースープなどを加えます。
店によっては、クチン特産の黒胡椒を使うので、かなり刺激が強いこともあります。
西マレーシアでは味わえないので、クチンに行ったら食べてみてくださいね。
泉春茶室(Chong Choon Cafe)
泉春茶室のように、小さな屋台が1軒に集まっている店を「コピティアム 」と呼びます。
その中にある「寶蘭叻沙」のサラワクラクサがおすすめですよ。
コンローミー
ミーとは麺のことを指しますが、マレーシアで食べる麺は通常、スープに入っています。
このコンロ―ミーはスープに入っていないのが特徴で、見た目は日本の焼きそばと似ています。
この上に乗せるトッピングを選んで、ソースを絡めて食べます。
ちなみに、コンローミーはサラワク州、サバ州でしか食べられないんですよ。
裕錦(Kim Joo)
華人街にあって、なんと創業60年という有名なお店です。
コンロ―ミーの他にも、「Zheng」という麺とスープが別々に出てくるメニューもあり、あれこれ試してみたくなるお店です。
Siniawan Old Town Night Market
クチン市街地から車で30分ほどの場所にある「シンニャワン」で、金・土・日の夕方のみ開催される夜市です。
クチンにある、ありとあらゆる食べ物の屋台が立ち並び、活気に溢れています。
週末の夜、クチンに滞在する予定があれば、ぜひ訪れてみてください。
ウツボカズラにもち米とココナッツ・ミルクを入れて炊いた、チマキのような「ウツボカズラ飯」も、ここなら必ず食べることができますよ。
クチンのお土産
せっかくなら、クチンの名産をお土産にプレゼントしてみるのは、いかがでしょうか?
コショウ
世界的にも、クチンで有名な物は「コショウ」です。
白コショウも黒コショウもピリっとしていて、料理が一層引き立ちます。
なんと、サラワクのコショウは世界生産量第6位なので、ぜひお土産として買ってみてください。
タバロイせんべい
サゴ椰子の木のデンプンを薄く焼いたものです。
素朴な味で美味しいと評判ですよ。
プア・クンプ
イバン族の伝統織物「プア・クンプ」です。
絵柄は、イバン族が夢で見た世界が織られているそうですよ。
お土産にちょうど良い小さめのテーブルランナーは、お土産として人気ですよ。
先住民族のライスワイン
先住民族が作る、ライスワイン(米酒)はトゥワと呼ばれています。
アルコールの値段が高いマレーシアですが、このトゥワであれば手頃な値段で購入できます。
旅行中に飲んでみるのもおすすめですよ。
クチンのイベントは?
ネコ祭り(クチン・パレード)
毎年8月に開催されます。
特に、第一土曜日は参加者全員がネコに仮装したパレードがあり、一層盛り上がりますよ。
パドゥンガン通りの入口にある大きな白猫の像が、パレードの出発点になっています。
レインフォレスト・ミュージック・フェスティバル
毎年6月にサラワク・カルチャー・ビレッジで行われ、アジア中心に世界をテーマにした音楽祭です。
3日間、音楽だけでなく様々なイベントが行われます。
お昼はワークショップやミニセッションがメインになり、夜は深夜までライブが続きます。
ガダイ・ダヤク・ハーベスト・フェスティバル
ガダイとは、先住民の言葉で「儀式」という意味を持ちます。
毎年6月1日2日に行われる、先住民の収穫祭のお祭りです。
先住民族は自然の精霊崇拝を行っていて、儀式は地域の伝統料理とトゥクが神様に捧げられます。
キリスト教への改宗が進んでいますが、この精神は今でも受け継がれています。
サラワク州の人口の半分以上を先住民族が占めているので、1年で一番賑やかなお祭りです。
都市で働いている人たちも、必ず田舎に帰る一大イベントなんですよ。
特に、サラワクの民族衣装は、きらびやかで見応えがあるので、この時期に旅行する人は、ぜひ足を運んでみてくださいね。
この時期にロングハウスへ行くと、地酒のトゥアや伝統料理が振舞われ、いつも以上におもてなしをしてもらえますよ。
ガダイ・ダヤクに先立ち、毎年4月頃「サラワク・カルチュラル・ビレッジ」でSarawak Harvest & Folklore Festivalという大きなイベントが開催されます。 敷地内を舞台に、ジェームス・ブルックとイバン族の英雄「レンタップ」の戦いを劇にした野外劇があったり、それぞれのロングハウスでも催し物が行われます。 伝統楽器「サペ」のコンサートも開催されます。
まとめ
クチンは
- 名前の由来には二説あり、ハッキリとは分からない
- マレー系、インド系、中華系の他に26種以上の先住民族がいる
- 東南アジアで初めて、白人の王が誕生した土地
クチンへの行き方は
- 日本からの直行便はない
- クアラルンプール、コタキナバル、シンガポールを経由
- マレーシア国内移動でも、サラワク州のイミグレーションを通る必要がある
クチン空港から市街地へ行くには
- 空港からのバスはない
- タクシーが一般的
- 空港から2.5kmの場所にあるクチンバスターミナルから市街地に行ける
クチン市街地のタクシーは
- メーターはあまり使われない
- 事前に値段交渉が必要
- GrabTaxiが便利
リバータクシーは
- サラワク川の北と南を結ぶ渡し船
- 基本料金は、片道MR1
- 行先などによって値段が変わる
クチンのおすすめ料理は
- サラワク・ラクサ
- コンロー・ミー
クチンのお土産は
- コショウ
- タバロイせんべい
- 先住民の織物「プア・クンプ」
- 先住民族のライスワイン「トゥワ」
クチンのイベントは
- 毎年8月にある「ネコ祭り」
- 毎年6月にある「レインフォレスト・ミュージック・フェスティバル」
- 6月1日2日の「ガダイ・ダヤク(ダヤク族の収穫祭)」
今回は「クチンの歩き方、おすすめ料理とお土産」をご紹介しました。
クチンは、イオンショッピングモールもある大都市です。
新しい文化と伝統文化が混ざり合った興味深い町で面白いですよ。
今回の記事を参考に、クチン旅行を楽しんでくださいね。
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